小林恭子の英国メディア・ウオッチ : 新聞サイト、課金について考える
私がFTやエコノミストを有料購読しているのは、別に経済関係の媒体だからではない。決してない。だから、「経済紙は特別だから、だから有料にできるんだ」というのは、神話というか嘘じゃないかなと思う。FTやエコノミストのテイクというか、ものの捕まえ方が知りたい・読みたいからお金を払っているのである。もちろん、無料で読めるなら、それに越したことはないのだけれども。
わかる。わかるんですが
日本の新聞(経済誌は除く)でそれって成立するんだろうか。
「報道機関は常に不偏不党の立場で真実を伝えなければならない。」
みたいなことが建前にすぎないとしても存在している。
実際は左寄りだったり右寄りだったりするんだけれど
それでも「不偏不党」であるとしている。(と思う。)
各紙の個性なり立ち位置なり、あるいはブランドといってもいいけど
そういうものがお金を払う価値として存在してるんだろうか。
読者から見たら実際はどれでもよくて、洗剤だったり野球のチケットで
十分スイッチ可能な程度の価値しか提供できてないんじゃないか。
というかそもそもそういうものに
新聞社側が価値を持たせようとしてきてたんだろうか。
少なくとも見やすい、読みやすい、ということぐらいしか
個人的には覚えていない。
つまりは日本の新聞の場合有料にしたとして
価値を見いだしてくれる読者は少ない。
という意味でなおさら絶望的な気がする。