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2014.04.30 Wednesday

本や音楽における既存流通のハック

著者 :
宝島社
発売日 : 2014-04-07

In Red が一番売れてるファッション誌だそうですね。
2位も同じく宝島社のSweet。

付録付き雑誌の立役者、宝島社が強い!30代女性向け雑誌1位、2位を独占 - IRORIO(イロリオ)
 
雑誌業界の人たちからすると「あんなのは雑誌じゃない」
「付録で売りやがって」っていう批判とかやっかみもあったりするみたいですが
もはや付録商法やってるの宝島だけじゃないですしね。

僕が思うのは、宝島社がやっている本屋で鞄を売るっていうアクションは
如何に日本の出版流通が優れているか(いたか)ということの証左ではないか
だということです。
日本の書店数って2013年でも14000店舗ぐらいはあるらしくて
その全体ではないにしても相当数の店舗に書籍の形をとることで
鞄等の別の商品の販路をつくることができる。
ブランド側からすると商品がおまけレベルであったとしても
認知度向上には確実に貢献しています。
書店数の推移 1999年から2013年:【 FAX DM、FAX送信の日本著者販促センター 】
しかも平積みの場所に置いてもらいやすい!
ファッション誌以外の付録付きムックも同様ですよね。

これって出版流通のハックですよね。

ただ、諸手をあげて賛成、賞賛しているわけではなくて
衰退するビジネスモデルの転換スピードを緩めてしまう
という側面もあると思っています。

本よりもざっくり10年程前からデジタルの洗礼を受けはじめている
音楽/レコード業界でも似たような話はありまして
AKBやEXILE等の販売手法も旧来流通のハックだと思います。
このあたりはさやわかさんの以下の著書に詳しいです。
 
「今の音楽業界は曲と歌、つまり芸術の素朴な価値を語りながらも実際には単にCDの売上を至上としている。そして、その尺度では捉えきれないものが既に音楽シーンには台頭しつつ、黙殺されている。 AKBはその実情に即した戦略を採らなければ自分たちの活動が広く認められることはないのだと自覚した。だから彼女たちは CDを売らんがために「AKB商法」へ乗り出したのだ。それは今の音楽業界に対する、アイドルから提示された率直な回答として見ることができるし、現状に正確に対応したやり方だからこそ、うまくいったに違いない。 − 70ページ」

出版業界でオマケ付きのムック本が流行ってきて、宝島社が一部から叩かれていたのと似たような構造を感じる。下降気味の業界にあって、ものすごく適応した商売の仕方が嫌悪されるというような話。

と以前レビューも書いていたんですが
実質はほぼなくなって権威だけが残っている販売ランキングを利用すること、
ミリオンという肩書きをもつことがその商法の動機になっている。
本質的にはCDを販売する必然性はないはずなんですよね。
少なくとも購入側には同じCDを数十枚数百枚買う必然性はないです。
握手券だけ、コンサートのチケットだけが手に入ればいいはずです。
AKBの場合直販での販売割合が高いことを考えると
流通のハックというよりも、ランキングの権威をハックしたと。

こういうこともあってか、日本の音楽ビジネスは欧米が着々と
フィジカルからデジタルに移って行くなかでも
依然としてフィジカルの販売が大きな割合を占めていて
デジタルを中心とした売上げ成長に反転しはじめている
他の国々と際立った差が出てきています。

レコード会社が価格を決めるのは日本だけ…国内も海外も音楽売上低迷 有料配信サービスは成長 | ニュースフィア  

個別の企業行動としては反対するところは全然なくて
ほんとに上手にやってるなーと思うだけなんですが
市場全体っていう視点にたつと、感想も変わります。
でもそういう意味での批判てあんまり見ないんですよね。
どうせ批判するなら建設的な批判から
新しいビジネスへの転換につながっていくといいなと思います。
 

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