|
小林弘人
バジリコ
¥ 1,575
(2009-04-03)
Amazonランキング:
196位
|
元「ワイアード」日本版編集長のこばへん(小林弘人氏)が書いた
現在のメディア、主に出版、雑誌、新聞といったところから
現在小林氏の会社であるインフォバーンで運営している
ギズモード等のブログメディアまでを範囲とした
Publishing/Mediaの今と未来についての本。
publishの意味 英和辞典 - goo辞書
━━ vt. 発表する, (法律などを)公布する; 出版[発行]する.
出版社だ取次だという今の「ビジネスモデル」としての出版と
言葉の意味の原点である「publicにする」という意味での
publishの現在と未来を本当に鋭く見極めていて
それは伝統的な出版事業にも、ブログメディアにも
試行錯誤をしながら関わってきた人であるからこその説得力がある。
ワイアードは出版当時、僕も心酔していた雑誌で
山下達郎の歌に「アトムの子」というのがありますけど
さしずめ僕は「ワイアードの子」だと思うぐらいに
インターネットが広まり始めた世の中の動きや
未来像をワイアードを通じて思い描いていた覚えがあります。
ネグロポンテがいうところのアトムからビットへという話で
音楽でも何でも「デジタル化」可能なコンテンツについては
ほぼほぼ同じような構図が発生すると思うのですが
「出版自体はなくならないし、雑誌も新聞もなくなりはしないだろう
ただ、今のビジネスモデルはレガシーなものになっていくだろうし
今の企業規模が維持できるかどうかはわからない」というような話は
今の「会社」にとっては寿命の宣告に近い話であっても
そこから飛び出して何かやってやろうと思える個人にとっては
エールになるんじゃないかな、と思うんですね。
悲観的な話ばかりでもなければ
逆にインターネット万能論のような楽観的な話ばかりでもなく
極めて冷静に本質を見つめようとする視線が感じられました。
web業界や出版/メディア業界にいるひとは必読だと思いますね。
【参考】
・
『新世紀メディア論』をもっと深く読むためのレファレンス : ライフハッカー[日本版], 仕事も生活も上手くこなすライフハック情報満載のブログ・メディア
・
誰でもメディア宣言:日経ビジネスオンライン(元となった連載)
・
サイゾー創刊編集長が過激に提言!<死が迫る雑誌たち>のサバイバル術(前編) - 日刊サイゾー
・
サイゾー創刊編集長が過激に提言!<死が迫る雑誌たち>のサバイバル術(後編) - 日刊サイゾー